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大地が潤い、渡り鳥が飛び立つ季節

雨水の初候は「土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)」です。2019年は2月19日~23日。春の雨で、それまで凍り付いていた大地が湿気を帯び、潤い始めるのがこの時期。「脉」は脈のことで、脈を打ち始めた大地を思い起こさせる、生命力にあふれた言葉です。

 

ちょうどこの頃、毎年2月17日は多くの神社で五穀豊穣を願う祈年祭が営まれますが、これに合わせるように、豊作を祈願する民俗芸能が開催される地域もあります。土ならしや田植え、収穫といった稲作の所作をもとにした舞などを披露するもので、田遊(たあそび)や御田植(おんだうえ)、御田(おんだ)といった名称で伝わっています。四季があり、人々の暮らしが稲作を中心に営まれていた日本ならではの伝統芸能です。

 

さて、紀元前の中国・華北地方(黄河の中・下流域)で作られ日本に伝わった七十二候。気候の違いなどから、日本で使うには不自然な表現もあったことから、江戸時代に渋川春海などの暦学者が日本の季節感に合った本朝七十二候を作成しました。

 

その一つがまさにこの「土脉潤起」で、江戸時代以前は中国から伝わった「獺祭魚(たつうおまつる)」が使われていました。これは獺(カワウソ)が魚を捕らえて食べることを表しているのですが、獲った魚を岸に整然と並べる様が、祭で神様に供物を捧げるように見えることから生まれた言葉なのだそう。山口県岩国市で醸される地酒の名前として見聞きしたことのある人も多いかもしれません。

 

日本の気候に合わせた七十二候には、江戸時代後期の国学者・上田秋成がまとめた「七十二候集解」もあり、こちらでは雨水の初候が「鴻雁帰(こうがんかえる)」となっています。同じ時期に、地中が潤い始める一方で、渡り鳥は北国へ。およそ5日ごとという短い時間の中でも自然ははっきり変化していくことを、七十二候は教えてくれます。

 

今は、昔と同じように自然の変化を見つけるのは難しいかもしれませんが、それでも目を凝らし、耳を澄ませれば何か発見できるかもしれません。手始めに、身の回りで気付いた自然の変化を書き留めてみてはどうでしょう? 一年が過ぎる頃には、今の時代らしいユニークな七十二候が出来上がるかもしれません。

公開日:平成31年2月15日

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