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海女がおまじないとして身につけた「セーマンドーマン」

晴明公が創られた陰陽道で、魔除けの呪符として用いられたのが「五芒星」。晴明神社の社紋であり、お守りやお札にもあしらわれたお馴染みの文様です。この五芒星によく似た印が三重県の鳥羽や志摩の海女の間でお守りとして使われていること、ご存じですか?

 

素潜りでアワビ、サザエなどを獲る海女。奈良時代の万葉集に「あま」という言葉が詠まれ、平安時代中期の『延喜式』には志摩に約30名の“潜女(かづきめ)”がいると書かれています。時代をさかのぼれば、弥生時代の遺跡からはアワビを獲るための道具も出土しているそうです。

 

このように長い歴史を持つ海女の間に独自の風習が生まれました。それがある文様を身に着けるおまじないです。その文様こそが五芒星によく似た星型。アワビを獲るための道具にはそのまま刻まれ、手ぬぐいなどの身に着けるものには刺繍が施されました。

 

星型は一筆書きで書けることから「元に戻れる」、つまり漁の安全を願い、さらに入口や出口が無い星型は“魔物が入り込む隙が無い”として、この印を身につけることで海中に棲む魔物から身を守ったともいわれています。

 

さらに文様はもうひとつ。四本と五本のラインを格子状に書いたもので、計9本のラインは、修験者が唱える九字の印を表したものだそう。

 

これらの星型と格子状のおまじないの名前は「セーマンドーマン」。陰陽師に関心のある人ならピンとくるかもしれません。五芒星に似たセーマンは安倍晴明、格子状の文様であるドーマンは、『宇治拾遺物語』で晴明公と対決したと書かれる蘆屋道満(あしやどうまん)に由来するといわれているのです。

 

これらの文様がいつから使われ始めたのか、そしてなぜ「セーマンドーマン」と呼ばれるようになったのかは定かではありませんが、いつの頃か五芒星にまつわる不思議な力や晴明公の説話がこの地に伝わり、やがて漁の無事と豊漁を願う海女がその力を頼るようになったのでしょう。

 

公開日:平成30年5月24日

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